評価
レビュー
気持ち悪さと美しさが同居する青い静かな世界
19世紀半ばスコットランドからニュージーランドへ嫁ぐエイダ。娘と同じくらい大事なピアノを持って…
暗くしかしどこか透明感のある映像と音楽を魅せてくれる映画。
初めに言っておくと僕はこの主要人物達に全く感情移入が出来ませんでした。
あることがキッカケで声が出なくなってしまったピアノを拠り所にする主人公エイダ。
エイダの拠り所であるピアノを理解しようとせず勝手に移り住んだニュージーランドの土地と引き換えにピアノを渡してしまう夫。
エイダに想いをよせピアノと引き換えにエイダにピアノ・レッスンを受ける不器用で素養のない隣人ベインズ。
ピアノレッスンを理由に少しずつ少しずつエイダの心を剥ぎとっていく様はとても生々しい。いかにも女性監督らしい性描写を情緒ある風景を重ねながら官能的に見せていく。
ただし本質はとてもリアルで気持ち悪い。
これを美しいと感じるか不快と感じるかでこの評価は真っ二つに分かれてしまう。
また後半、目を覆うような残酷なシーンがありますので見る人は注意してください。
これは女性のための映画です。たぶんほとんどの男性は嫌悪感が勝るでしょう。
それでもなお海のように深い深い静けさと嫉妬と情熱を垣間見れる作品です。
あらすじ・概要
19世紀のニュージーランドを舞台に、ピアノの音色を言葉代わりにする女性と、原住民マオリ族に同化した一人の男性との激しい愛を描いた恋愛映画。
第66回アカデミー賞において作品賞を初めとした8部門にノミネートされ脚本賞、主演女優賞、助演女優賞の3部門で受賞を果たした。助演女優賞を受賞したアンナ・パキンの11歳での受賞は『ペーパー・ムーン』でのテータム・オニール(当時10歳)に次ぐ史上2番目の若さでの受賞であった。
イギリスの作曲家、マイケル・ナイマンによるサウンドトラックは注目を集め、全世界で300万枚以上の売り上げを誇った。特にメインテーマとも言うべきピアノソロ曲『楽しみを希う心』は印象的で、劇中では主役のホリー・ハンターが自身で演奏を行っている。
——————
主人公・エイダは娘フローラとピアノを伴い、スコットランドから未開の地・ニュージーランドへ旅立った。現地では彼女の結婚相手・スチュアートが迎えたが、彼は重いピアノを自宅へ運ぶことを拒み、ピアノを浜辺に置き去りにした。
話すことができないエイダにとって、ピアノはかけがえのないものであり、エイダは娘を連れて何度も浜辺にピアノを弾きに訪れた。その姿とピアノに惹きつけられたベインズはピアノをスチュアートから自分の土地と交換して手に入れる。
—————–
タイトル | ピアノ・レッスン |
製作 | 1990年 |
原題 | THE PIANO |
製作国 | オーストラリア |
上映時間 | 121分 |
ジャンル | ドラマ |
監督 | ジェーン・カンピオン |
脚本 | ジェーン・カンピオン |
原作 | エドモン・ロスタン |
出演者 | ホリー・ハンター ハーヴェイ・カイテル |
受賞 |
アカデミー賞1994年66回:脚本賞/主演女優賞/助演女優賞 |
コメントを残す