あらすじ・概要
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1976年、シカゴ。カトリックの家庭に育つ8歳のピートは消防士のパパ、優しいママ、そして7人の兄弟に囲まれて元気に暮らしていた。2年生の終わり、夏休みの前にシスターから“悪魔の道を選ぶか神の道を行くかは今年の夏の行ないで決まります”と言われ気にするピート。そんな時、兄シェイマスから、異教徒をカトリックに改宗させれば聖人になって天国に行ける、と聞き、早速ユダヤ教の教会堂へ通い始めるピート。やがて、教会のラビと顔馴染みになったピートは、ある出来事をきっかけにラビの息子ダニーとも仲良くなるのだったが…。
タイトル | 夏休みのレモネード |
製作 | 2002年 |
原題 | STOLEN SUMMER |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 96分 |
ジャンル | ドラマ |
監督 | ピート・ジョーンズ |
脚本 | ピート・ジョーンズ |
出演者 | エイダン・クイン ボニー・ハント ケヴィン・ポラック |
評価
レビュー
夏の終わりにレモネードを飲みたくなるそんな映画
「グッド・ウィル・ハンティング」のベンアフレックとマットデイモンが主催した脚本コンテスト。集まった1万2000本の中から選ばれた作品の映画化。
死んだらどこにいくの?
天国か地獄だよ。
どうすれば天国に行けるの?
いい子にしてたらね。あなたみたいに悪いことばかりしてると地獄へ堕ちるよ。
でもそんな大人はいい子にしてるように思えない。
アイルランド系のカトリックのピートはどうすれば天国へ行けるか考えた末にユダヤ地区でお手製レモネードを配りながらユダヤ教徒をカトリックに改宗させようと試みる。
そこで出会ったユダヤ教の「ラビ」とその息子ダニー。
ユダヤ教徒は天国を語らない。
ピートは白血病のダニーの幸せを願って天国へ行けるよう改宗させようとする。
この世の中には言葉も文化も思考も見た目もバラバラな人種が生きている。
でも同じ宗教にならないと救われないなんてそんな不平等な神様で溢れているのだろうか?
神様達ってそんなに心が狭いの?
そもそも信じるってなんでしょう?
ただ幸せになるためにそこに突き進む気持ち。
そこにカトリックもユダヤもあるんでしょうか?
血筋や宗教観なんて関係あるんでしょうか?
肌が黒いと幸せを願っちゃダメですか?
同性を愛していると幸せを願っちゃダメですか?
家族を愛しちゃダメですか?
子供だって大人だって愛する人の幸せを願う気持ちは共通です。
宗教が違うことで戦争や心の隔たりができるならそんなものいるんでしょうか?
固定観念だらけの大人の理屈なんかよりずっと子供は信じる気持ちを持っているのでは
ないでしょうか?
ラストは少し切ないけどレモネードを飲んだ時のように心地よい酸味と甘い潤いですっきりとした後味。そしてそこに真っ青な空と海に溶け込む夏の風景。
あんなに暑かった夏もそろそろ終わりが見えてきましたが締めくくりとして夏の経験をギュッと濃縮した映画を観てみるのも悪くないのかもしれません。
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