あらすじ・概要
2014年5月25日、ライアン・マーフィーが映像化しHBOで放送された。主演のマーク・ラファロは製作総指揮を兼任。日本ではスターチャンネルで2014年11月25日に放送された。 製作総指揮にはブラッド・ピットも名を連ねる。
撮影は2013年6月8日ニューヨーク市で始まり、同年7月12日リトルイタリーで終わった。 2014年5月23日、HBOで放送される前にトロントで行われたインサイドアウトフィルムフェスティバルで先行公開された。
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1981年、奔放な性を謳歌していたゲイたちの間に謎の伝染病が広がっていた。ジャーナリストのネッド(マーク・ラファロ)が病院を取材に訪れると、女性医師(ジュリア・ロバーツ)から現時点では対処法が無く不治の病であることを告げられる。ネッドはニューヨーク・タイムズの記者フェリックス(マット・ボマー)を訪ね尽力を求める、やがて惹かれあい恋に落ちる。 この病気は”ゲイ・キャンサー(癌)”と呼ばれ自治体やアンチゲイの世間からまともな対応をしてもらえず、またゲイの間でも性感染症であることを啓蒙しても聞き入れられなかった。この状況を打破すべくネッドは仲間達と共に団体、GMHC(Gay Men’s Health Crisis)を設立、代表を務める。
タイトル | ノーマル・ハート |
製作 | 2014年 |
原題 | The Normal Heart |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 132分 |
ジャンル | ドラマ |
監督 | ライアン・マーフィー |
脚本 | – |
原作 | ラリー・クレイマー |
出演者 | マーク・ラファロ マット・ボマー テイラー・キッチュ ジム・パーソンズ アルフレッド・モリーナ ジュリア・ロバーツ |
評価
レビュー
ノーマルなハートを持つ者たちの闘い
ノーマル【normal】
[形動]普通であるさま。標準的であるさま。正常なさま。「―な考え方」「―な性向」⇔アブノーマル。
人の大多数は自分が「普通」でありたいと思い自分と違うものを「差別」する。
ゲイ、黒人、オタク等これまで「普通」ではないまたは自分たちとは違うという理由で様々な人達が差別されてきた。
監督は海外ドラマgleeを世に送り出したライアン・マーフィー。
キャストは主人公にアベンジャーズのマーク・ラファロ。
恋人役に天才イケメン詐欺師のドラマのホワイト・カラーのマット・ボマー。
そして医者役に闘う女性エリン・ブロコビッチのジュリア・ロバーツ。
製作総指揮にブラッド・ピット。
舞台は1980年代のニューヨークのゲイ・コミュニティ。
1981年ゲイの間で奇妙な伝染病が産声をあげる。それは次々と仲間内で蔓延し友人や恋人を死の世界へ誘う。
彼らにとっての悪夢は序章でしかなかった。これはまだAIDSという言葉が出来る以前の時代の物語。
ただ愛する人を救いたい。ただその想いに政府や世間は冷酷な目を向け差別的な行動が虚しく胸に響きます。次々と感染し死んでいく仲間たち。
その中で主人公のネッドは世間に声高々に叫ぶことしかできない。
しかし彼らにその言葉は届かない。彼らだけでない。「ゲイ・コミュニティ」内での焦りからくる不安や反発。
仲間であったはずの彼らでさえ敵となってしまう展開はとても重く心にのしかかる。
愛している人と一緒に生活をしたい。
ゲイの人からしたらそれは普通の事だし好きな人とキスだってしたいしセックスだってしたい。
ただそれだけ。それは自然でノーマルな感情。何も変わらない。ただ同性同士であるという条件を除いて…
そして目を見張るのは異性のカップルと何ら変わらない自然な演技を見せるマーク・ラファロ演じるネッドとマット・ボマー演じるフェリックス。
この2人めちゃくちゃ切ない。愛する2人に性という概念はそこにはない。
ただ愛しあう2人がそこにいるだけ。アカデミー賞を取った「ミルク」の時でさえ気持ち悪いと思ってしまったゲイ同士のキスがここではごく自然に許せてしまうのだ。いや美しいとさえ思ってしまった。
あれから30年。
今もAIDSは淡々と毎年200万人以上の感染者を殺し続けている。
これはノーマルなハートをもった人類の闘いの歴史物語。非常にいい作品に出会えました。
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