シラノ・ド・ベルジュラック【評価:83点】

シラノ・ド・ベルジュラック

評価

83点

レビュー

喜劇の中に哀愁を隠し生きる英雄譚

凄くずるい映画を見つけちゃったんですよ…浅学のためこの戯曲自体まったく知らなかったんですけど今回この掘り出し物を見つける事ができた事に感謝します。

1897年にパリで初公演して以来今もなお演劇として公演され続けあちらでは文学的な英雄としてアンケートを取るとダルタニャンやジャン・バルジャンを押さえ必ず1位になるほどフランス人に人気。子供に伝えたい戯曲No.1としても選ばれるほどのこの英雄。

納得です。

まさしく男の中の男シラノ。

詩の才に秀で、剣は一流、その上哲学者であるシラノの唯一のコンプレックスはその大きな大きな鼻。

それゆえ想いを寄せるロクサーヌに愛を伝える事が出来ない。

そんな心内を知らないロクサーヌはある日シラノに二枚目のクリスチャンに恋をしていると打ち明ける。その告白を聞いた時、自分までギュゥって胸を締め付けられる思いでした。

そしてクリスチャンからもロクサーヌのことが気になるが奥手で愛の言葉を紡ぐことができないと相談される。

シラノはそんな自分の気持ちを押し殺したままクリスチャンとロクサーヌを詩の才を使い二人を結びつけようとラブレターの代筆を始める…

この流れは日本で言うと寅さんや愛する人に自分がヒーローであることを伝えられないスーパーマンやスパイダーマンに受け継がれています。

自己犠牲の上で相手の幸せを願うこの英雄に涙なしでは語れません。

美しい詩の台詞からシラノのロクサーヌへの愛が溢れ出る。でもロクサーヌはシラノの愛の言葉と気づかない。

このやり取り終始胸が締め付けられました。

あらすじ・概要

17世紀のフランスに実在した剣豪作家シラノ・ド・ベルジュラックを描いた、エドモン・ロスタンの同名戯曲を映画化した作品である。

第43回カンヌ国際映画祭において主演のジェラール・ドパルデューが男優賞を受賞した他、第16回セザール賞(フランス語版)において作品賞、監督賞(ジャン=ポール・ラプノー)、主演男優賞(ジェラール・ドパルデュー)、助演男優賞(ジャック・ウェベール(フランス語版))など10部門で受賞を果たすなど、様々な賞を受賞した。
——————
第1幕 ブルゴーニュ座、芝居の場
長鼻のシラノが上演中の劇場に乱入し、貴族らに喧嘩を売り、芝居をぶち壊す。ひそかに恋い焦がれる従妹ロクサーヌに言い寄っていた貴族を、シラノは即興の詩をとなえながら決闘して、倒す。
第2幕 詩人御用達料理店の場
ロクサーヌにシラノは呼び出されるが、彼女の恋の相手が美男のクリスチャンであることを知らされる。クリスチャンもまた彼女に一目ぼれしていた。しかしクリスチャンは姿こそ美しいが、ことばが貧しく、ロクサーヌにその恋心を打ち明けるすべを知らない。シラノは自分がロクサーヌにあてて書いた恋文を渡し、これをクリスチャンが書いたものとしてロクサーヌに送るように言う。

—————–

タイトル シラノ・ド・ベルジュラック
製作 1990年
原題 CYRANO DE BERGERAC

製作国 フランス/ハンガリー
上映時間 114分
ジャンル ドラマ
監督 ジャン=ポール・ラプノー
脚本 ジャン=クロード・カリエール
ジャン=ポール・ラプノー
原作 エドモン・ロスタン

出演者 ジェラール・ドパルデュー
アンヌ・ブロシェ

受賞 アカデミー賞1991年63回:衣装デザイン賞
ゴールデングローブ賞1990年48回:外国語映画賞
カンヌ国際映画祭1990年43回:男優賞
トロント国際映画祭1990年15回:ピープルズ・チョイス・アウォード
セザール賞1991年16回:作品賞

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です