ビッグ・アイズ【評価:65点】

ビッグ・アイズ

あらすじ・概要

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マーガレットは、娘を連れて夫と別居をはじめた。その別居先の町でバツ1の男性で画家のウォルターと出会う。出会ってまもなく、二人は結婚をした。1950年代にウォルター・キーン(英語版)はマーケティングでアメリカ中の電機店やガソリンスタンドに大きな目を持つ子供の絵を大量に売る会社を設立した。そして、金持ちになったウォルターはアーティストを自称して、トークショーの常連となった。

タイトル ビッグ・アイズ
製作 2014年
原題 Big Eyes

製作国 アメリカ
上映時間 106分
ジャンル ドラマ
監督 ティム・バートン
脚本 スコット・アレクサンダー
ラリー・カラゼウスキー
出演者 エイミー・アダムス
クリストフ・ヴァルツ
ダニー・ヒューストン
テレンス・スタンプ
受賞 ゴールデングローブ賞2015年72回:主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)

評価

65点

レビュー

空虚な幻に惑わされる大衆たち

大衆は絵画や映画や小説に代表される作品の何をみて評価するのだろうか?
それは自分の感性なのだろうか?それとも虚像に作りこまれた幻を見ているのだろうか?

1950年代~1960年代にウォーホール以前にポップカルチャーの画風で世界中でセンセーションを巻き起こしたビックアイズ。画家のウォルター・キーンを演じるのは「イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ」で2度もオスカーに輝くクリストフ・ヴァルツ。このウォルターの描くビックアイズシリーズが実は妻マーガレット・キーン(エイミー・アダムス)が描いてたという史実を元にした物語。最初は共同作として夫婦の関係は上手くいっていた。しかしウォルターの虚栄心が膨らみ嘘に嘘を重ねた結果二人の間には亀裂が生じ裁判にまで発展する。この物語では夫であるウォルターが悪者として描かれているがもしこの人が絵画でなく映画プロデューサー的なものだったらものすごい人になれたんじゃないかと思います。
基本的に映画とは嘘をどれだけ積み重ね本物に見せるかだと思ってるから(もちろんドキュメンタリーであったり今回の伝記的なものもありますがそれでさえもその作りての視点を多分に含んでいるわけで一種の脚色であるわけだから)

そして彼の商才あっての物語なのである。彼がいなければティム・バートンは彼女のビックアイズを目にすることはなかっただろうし多大な影響を受けたであろう今のティム・バートン作品は存在しないのである。

彼の商才を裏付ける証拠として裁判後ウォルターの手を離れたビックアイズは世間からあっというまに忘れ去られる。
ビックアイズはアンディ・ウォーホルのように今も価値のある作品としてもてはやされることはない。
マイクロソフトのビル・ゲイツもAppleのスティーブ・ジョブズも元となるコンピュータ設計は本人ではない。自己顕示欲と世間の求めるものを見出すことに才能があったと言うという意味では非常にウォルターと共通点がある。彼らも他人のアイデアをまるで自分が考えついたかのように利用しそれで多大な名誉と資金を手に入れた。それが最終的に相手に訴えられて落ち目となってしまったか最終的にそれさえも潰してのし上がったかそれだけの違いだ。勝ち残ったのか勝ち残れなかったか。

大衆は夢を買う。その物に価値を見出すわけではない。自分の意思とは関係なく流行にのり無条件に絶賛する。
そしてその夢さえみることができればそれは「コピー」であろうが構わない。量産される情報や物質に満足し本物を見る目をどんどん腐らせていく。それはあなたの感性なのだろうか?誰かの受け売りで満足していないか?
あなたはそんな空虚な幻に惑わされてないだろうか?ティム・バートンの冷静な訴えはそんな大衆を皮肉的に訴えているように感じる作品でした。

僕は美大出身で昔から絵ばかり描いてたので今回の作品は大変興味を持ってみることが出来ました。
ただその上で気になる点をいくつか(笑)
まずマーガレットの筆の持ち方がなってない。おまえは素人か(いや素人だけど)とか色の乗せ方もそんな順番でやる?とか
本当に中学生の絵画教室を見ているよう。次にこの中にでてくる何百点という絵や下絵はスタッフが2ヶ月で再現したらしいのですが基礎デッサンができてなくてこれ指導するやついなかったの?と思いました。その辺絵画をテーマにするわけだからこだわって欲しかったなぁ…

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