壬生義士伝【評価:60点】

壬生義士伝

あらすじ・概要

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人殺しとしてしか生きられない自分に絶望し、他人に絶望し、滅ぶべき時代のあだ花の身であった男(佐藤浩市)が新選組で出会ったのは、守銭奴と呼ばれながら家族への愛と侍としての義に生きるため身を削る田舎侍(中井貴一)だった…。

江戸時代が終わり、明治の御代となってのちの話である。感冒に罹患したと思われる孫を連れて、老人が町医者に駆け込んでくる。町医者は新天地である満州に医院を移すため、引っ越しの最中であった。医者の夫人が孫を診察し、老人は待合室で一息つく。ふと老人の目に、古びた一枚の写真が映った。その写真に写った武士は、老人のよく知る人物であった。老人は町医者に問わず語り、昔を思い出して行く。老人が斎藤一と呼ばれていた頃に出会った男、吉村貫一郎の生き様だった。
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タイトル 壬生義士伝
製作 2002年
原題 壬生義士伝
製作国 日本
上映時間 137分
ジャンル ドラマ/歴史
監督 滝田洋二郎
脚本 中島丈博
原作 浅田次郎
出演者 中井貴一
三宅裕司
村田雄浩
夏川結衣
中谷美紀
佐藤浩市

受賞 日本アカデミー賞2004年27回:最優秀作品賞

評価

60点

レビュー

侍の定義

侍とは強くあること。勇猛であることへの誇り。地位を重んじ名誉のためなら死を辞さない生き方をする魂を持つ者。

そして<義>に忠実である者。

時は幕末。場所は京都・壬生
尊皇攘夷の名の下結成された新選組は衰退の一途を辿っていた。

新選組の佐藤浩市が演じる斎藤一もまた自身の死に様を探し殺戮を繰り返す剣士であった。
ある日その新選組に侍の定義とはほど遠い侍が入隊してくる。

名を吉村貫一郎。
この中井貴一演じる田舎侍は「守銭奴」と呼ばれ周りから笑われようが金に執着し
どれだけ無様であろうと生に執着していた。

それは愛する家族を守りたいがゆえの彼なりの<義>であった。
侍の<義>を捨てさるが故に真の侍としての<義>を持ちえるという描写は中々うまい。

侍とは真逆とも言えるその田舎侍に斎藤一は何かと衝突することになる。

この<義>同士の対立と和解。設定としては非常に好きです。

ただ残念なのが吉村貫一郎の唱える<義>が前半と後半どうも自分にとってちぐはぐの印象を受けてしまうのです。
またラストシーンはもっと尺を短くすべきでした。あまりに長いので泣かそうという部分があざとく見えるのです。
ここ泣くところだから尺長くしときますねって示唆されてもこちらとして冷めちゃいます。

全体的に2時間以内にまとめるべきでしたね。

といっても中井貴一と佐藤浩市はかなり良い演技をしているし原作が気になる人がイメージをつけるために観るのは悪くないかもしれません。

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