あらすじ・概要
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離婚した両親の家を10日ごとに行き来することになった6歳のメイジー。
ベビーシッターだったマーゴが、父と再婚。母は心優しいバーテンダーのリンカーンと再婚する。
自分のことに忙しい両親は、次第にそれぞれのパートナーにメイジーの世話を押し付け、マーゴとリンカーンと過ごす時間がほとんどになるメイジー。
ある日、母が突然ツアーに出かけ、メイジーは独り夜の街に置き去りにされてしまうのだが──。
タイトル | メイジーの瞳 |
製作 | 2012年 |
原題 | What Maisie Knew |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 99分 |
ジャンル | ドラマ |
監督 |
スコット・マギー デビッドシーゲル |
脚本 |
キャロル・カートライト ナンシードイン |
出演者 |
ジュリアン・ムーア アレクサンダー・スカルスガード オナタアプリーレ |
評価
レビュー
重いテーマを音楽と光あふれる空気で切なく彩るもの
「F**k!!F**k!!」
物語はつんざく両親の罵り合いから始まる。
これは離婚する両親に翻弄される6歳の一人の少女の視点を通して語られる御伽噺。
オナタ・アプリール演じるメイジーは人前では涙を見せずにただ心の内に秘める女の子。
正直、他人の喧嘩は大人であっても見ていて心地のよいものではない。
子供はその意味をよく知っている。
でもメイジーはそんな2人の喧嘩を止めることはできない。
一番身近で一番愛する2人が多感な子供の心をドカドカと土足で踏み込む。
小さな彼女にとって逃げ場はない。ただひたすら耐えるのだ。涙一つ見せずに。
そして彼女は少しずつ心を消費していく。
だが彼女はそんな両親でも心から愛しているのだ。
幼少期というのは人格を形成する上で非常に大切な時期だ。
そんな子供の時間は大人の時間と違い1分1秒単位で刻一刻と変化していく。
大人が見ていないところで言葉を覚え感情を覚え考え方を覚える。
自分本位な両親はけっして少女を愛していないわけではない。それは着てる服やアクセサリーから見て取れる。
そして「愛してる」という言葉が幾度と無く両親の口から発せられる。
ただ彼らにとって仕事の比重は大きくメイジーのために時間を取ることはない。
そのためお互いに少女の面倒を押し付け合いそして罵り合う。
少女にとって愛してると何千回の言葉よりギュッと抱きしめてくれてそっと側で見守ってくれるほうがずっといい。
ただ不器用な大人たちはそこに気づくことができない。
この物語はけして後味のいいラストとはいえない形で幕を閉じる。
ただ微かな光と音楽を感じながら彼女の表情に全て込めてそっと絵本を終えるように…
彼女の未来の瞳には何が映っているのだろうか?そんなことを思わずにいられない作品でした。
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