トランスアメリカ【評価:72点】

トランスアメリカ

あらすじ・概要

性同一性障害のブリーが、実の息子であるトビーに自分が父親であることを隠したまま、共にアメリカ大陸横断 (トランスアメリカ) の旅に出ることになる。タイトルは、生まれたときの身体の性と異なる性で生活することを望む人を指す単語「トランスジェンダー」に掛けたもの。

主人公のブリーを演じたフェリシティ・ハフマンは、この映画の演技で高い評価を得て、ゴールデングローブ賞(主演女優賞)など数々の賞を受賞した。第78回アカデミー賞では主演女優賞候補にノミネートされた。ドリー・パートンがこの映画のために書き下ろした「Travelin’ Thru」も歌曲賞でノミネート。しかし、両方とも受賞は逃し、アカデミー賞では無冠に終わる。
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性別適合手術を一週間後に控えたブリーの元に、ニューヨークから一本の電話があった。相手はトビーという17歳の少年で、拘置所におり、自分の父親スタンレーと話がしたいという。しかし、スタンレーとはブリーの以前の名前であった。自分に息子がいるとは知らなかったブリーだが、トビーの保釈のため、仕方なくニューヨークに向かう。
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タイトル トランスアメリカ
製作 2005年
原題 TRANSAMERICA
製作国 アメリカ
上映時間 128分
ジャンル ドラマ
監督 ダンカン・タッカー
脚本 ダンカン・タッカー
出演者 フェリシティ・ハフマン
ケヴィン・ゼガーズ

受賞 ゴールデングローブ賞2005年63回:主演女優賞(ドラマ部門)
インディペンデント・スピリット賞2006年21回:新人脚本賞

評価

72点

レビュー

ジェンダーという苦悩のその先に

2015年6月全米で同性同士の結婚が法的に認められました。

トランスアメリカ

乗り越えるアメリカ

これは自己肯定がテーマの物語です。

男性の体を持ちながら女性の心をもつ愛を忘れてしまったトランスジェンダー(性同一性障害)のブリーと継父から性的虐待を受けてきたトラウマから売春を繰り返す愛を知らない息子トビー。いずれも自己否定しかできなかった不思議な関係の親子が自身を肯定することにより新たな絆を築くロードムービー。

びっくりしたのが僕の大好きな海外ドラマ デスパレートの妻たちのリネット役のフェリシティ・ハフマンが主演してるではないですか!最初全然気づきませんでした。役が役だけに(笑)

デスパレートの魅力をここで語りたい位めちゃくちゃ好きなんですが我慢します…(笑)

しかしこの主演のハフマンさん女性でありながら女性になりたい男性を演じる上で違和感が全くない!アカデミー主演女優賞ノミネートも納得です。そしてボーイズ・ドント・クライも性同一障害を扱った作品ですがあの重々しい雰囲気はなくテーマの割には良い意味でライト。これはきっとこの監督の持ち味なのでしょう。

男は男らしく
女は女らしく
黒人は黒人らしく
白人は白人らしく

アメリカは多種多様の文化と民族が交じり合うため人種のるつぼと呼ばれている。このような交じり合った異質な者同士がどう生活をしていくのか?この物語はジェンダーを通してその問題を提示しているようでもあります。

また本人の苦悩はもちろんなのですが
周りの苦悩もまた否定できないのです。

もし自分の子どもが性同一性障害だったらあなたは素直に歓迎できるだろうか?もしあなたの友達、兄弟、親戚がそうだったら?

父とは?母とはなにか?そして親子の在り方をしっかり見つめたくなるそんな作品でした。

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