あらすじ・概要
本作はジョン・グリシャムの『陪審評決』(新潮文庫)を映画化したものである。原作ではタバコ会社が訴訟の相手であったが、本作では訴訟の相手が銃会社に変更されている。これは『インサイダー』がタバコ会社を題材にしていたためである。
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ニューオーリンズで銃乱射事件が起き、犯人は11人を殺害したのち自殺する。この事件で夫を亡くしたセレステはベテラン弁護士・ローアを雇い、犯行に使われた銃器の製造と販売責任を求めて、銃を製造したヴィックスバーグ社を訴える。ここに全米が注目する銃規制裁判が始まる。
絶対に勝たねばならない被告側のヴィックスバーグ社及び加入する銃協会は、伝説の陪審コンサルタント・フィッチを雇う。フィッチは最新技術や心理学などありとあらゆる手段を用いて、陪審員の選別から裏工作まで進めていく。一方で、巧みな演技で陪審員に選ばれた男ニックは、謎の女マーリーと組んで内から陪審員の操作を行い、原告と被告に「陪審員、売ります」のメモを送り付ける。
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タイトル | ニューオーリンズ・トライアル |
製作 | 2003年 |
原題 | RUNAWAY JURY |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 128分 |
ジャンル | サスペンス |
監督 | ゲイリー・フレダー |
脚本 | ブライアン・コッペルマン デヴィッド・レヴィーン マシュー・チャップマン リック・クリーヴランド |
原作 | ジョン・グリシャム『陪審評決』 |
出演者 | ジョン・キューザック ジーン・ハックマン ダスティン・ホフマン |
評価
レビュー
交渉、圧力、心理戦をこれでもかと詰め込んだ埋もれた名作
まずは陪審員制度って知ってます?極上の名作と言われる「12人の怒れる男たち」でもテーマになってるあれです。
この話はよくある検事と弁護士の口頭合戦ではありません。
陪審員と陪審員コンサルタントを中心にハイテンションで進む話。
まず証券会社で銃乱射事件が起き、犯人は11人を殺害したのち自殺する。この犠牲者の夫の妻が銃会社を民事裁判で訴えます。
陪審員は通常12人で構成されるんだけどまず多数の陪審員候補から決めます。ここがポイント。自分に味方してくれそうな陪審員を選別して決定するのが陪審員コンサルタントの仕事。出来るコンサルタントほど裁判を有利にすすめる陪審員を選択する。要するにこの怒れる男たちの前にすでに闘いは始まってるわけです。
で今回敵となる企業側が大金を払って雇ったのが陪審員コンサルタントのジーン・ハックマン。こいつ実に悪役キャラが似合ってる。勝つためならなんでもやる裏社会のモンスター。陪審員候補者全員を徹底的に調べあげ大金や非合法な手段で冷静に裁判を有利に運ぶ。
一般の陪審員の選択する正義というのはこのスペシャリストの手にかかると簡単に覆る。これがかなり恐怖。例えどんな犯罪を犯しても陪審員さえ丸め込んでしまえばそれは無罪となる。だから弁護士演じるダスティン・ホフマンがいきなり窮地においこまれる。これどうやって勝つんだよって裁判にスタートから立たされる絶望感にテンションあがります。
陪審員が売買交渉、圧力、心理的ゆさぶりにうまく誘導されていく様はゾクゾクさせられます。そこに謎の陪審員まで絡んできてそれはまるでジェットコースター。邦画「それでもボクはやってない」にも通じる何が正しいのかという陪審員制度のアイロニーがビリビリ頭脳を刺激します!ノンストップでラストまでの掛け合いは絶品!これは本当にオススメの逸品です!
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