プライマー【評価:65点】

プライマー

あらすじ・概要

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アメリカのとある郊外の街。自宅のガレージでオフタイムを利用して研究開発に励むエンジニアのアーロンとその友人エイブ。ある時エイブが超伝導を利用した画期的なアイデアを思いつき、その装置の開発に乗り出した2人は、思いがけず小さな箱の中に時空の歪みを生じるワームホールを作りだしてしまう。そこで、箱を人が入れるほどの大きさにしてタイムトラベルをすることにした2人。そして過去に戻って株で大もうけするのだが、タイムトラベルのタブーである分身との遭遇が、2人の運命を大きく変えてゆく…。

タイトル プライマー
製作 2004年
原題 PRIMER

製作国 アメリカ
上映時間 77分
ジャンル サスペンス
監督 シェーン・カルース
脚本 シェーン・カルース
出演者 シェーン・カルース
デヴィッド・サリヴァン
ケイシー・グッデン
受賞 サンダンス映画祭2004年20回:グランプリ

評価

65点

レビュー

藤子・F・不二雄はなぜ偉大なのか?

いや~この映画をみて改めて藤子・F・不二雄の凄さに舌を巻く次第である。
この作品は皆が大好き「タイムトラベル」を扱ったものなんだけどとにかく難解。
タイムマシンを扱うのでタイム軸が何パターンか発生するのだけどまず台詞からどの時系列かを見極められるかを観るものに課題として突きつけてくる。
次にあれ?この台詞おかしいぞ?と気づいた時点ですでに複数の時間軸が存在していてその時間軸からどの時間軸の人物か見極めていくかの作業になっていく。その把握をするだけで僕の1回目は終了するわけだ。もちろん理解出来ない。
さてその次に1回目の僕の知識と2回目の僕の知識が挑戦することになる。この二人が融合することによりさらに物語は深い理解に到達する。だが完成はほど遠くまだ理解できないのだ。さらに考察サイトという別の人間の視点の次元が重なりさらに理解はより真相へ。
このように複数回みた過去の自分と複数回みた他者の視点が同列に何重にも重なることによりこの物語は完成するのだ。
はっきり言おう。この映画1回観ただけではほぼ確実に理解できない。

さてなぜ僕が藤子・F・不二雄が偉大だと感じるのか説明させていただきます。
国民的なキャラクターといっても過言でないドラえもん。未来から来たネコ型ロボットということでタイムマシンネタというのは結構でてきたりする。
しかし基本読者は子供が多いのでタイム・パラドックスという概念が絡んでくるとあっという間に彼らの頭ではその理解が困難になってしまうのである。
せっかく子供向けに製作しているのにその子どもたちが理解できないのでは意味がなくなると考えた藤子・F・不二雄は誰にでもわかるように極力シンプルにして物語を造りだすのだ。

誰にでも理解しやすくかつ面白い。名作になる所以である。
この話に似た話ドラえもんのエピソードで5巻収録の「ドラえもんだらけ」という話がある。
この作品はドラえもんエピソードの中でもかなり人気高い仕上がりとなっている。

あらすじとしてはこうだ。
のび太にどら焼きで宿題を手伝って欲しいと頼まれたドラえもんは一人だけでは解決できないと考え2時間後、4時間後、6時間後、8時間後のドラえもんをタイムマシンで現在に連れてくる。5体のドラえもんはそれぞれの時間軸の意思をもっているが結果的には一体のドラえもんでしかない。もちろん現在のドラえもんの2時間後には2時間前のドラえもん4時間後には4時間前のドラえもんがそれぞれ過去から迎えに来るわけだ。そして寝ることのできないドラえもんはついに…この狂気にも似たタイム・パラドックスをあの短いページの中で再現しているのだ。しかしなるほど納得。この映画に関わった人たちを見ればすべて納得だ。この監督はこの中の登場人物であり狂気へと変貌する「ドラえもんだらけ」のドラえもんなのだ。

監督 シェーン・カルース
キャストシェーン・カルース
脚本 シェーン・カルース
音楽 シェーン・カルース
撮影 シェーン・カルース
製作 シェーン・カルース
美術 シェーン・カルース
編集 シェーン・カルース
録音 シェーン・カルース
その他 シェーン・カルース

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