トラフィック【評価:55点】

トラフィック

評価

55点

レビュー

命より重い麻薬の話

1,000人以上の警察、裁判官、検察官が殺害された

兵士200人が殺害された

連邦警察208人が殺害された

通報者58人が殺害された

1,000人未満の子供が殺害された

2006年 62人が殺害された

2007年 2,837人が殺害された

2008年 6,844人が殺害された

2009年 9,635人が殺害された

2010年 15,273人が殺害された

2011年 24,068人が殺害された

2012年 18,061人が殺害された

合計76,780人(2006年12月から2012年10月まで)

これはメキシコ政府と麻薬組織の紛争による犠牲者の数だ。

人は麻薬の為にゴミのように捨てられる。

アメリカにもメキシコの麻薬は静かに浸透しそれは銃と並び深い闇となっている。

ソダーバーグは真正面からその問題に取り組んだ。

まるで現実かのようなドキュメンタリータッチで話は進む。

淡々とストーリーは進む。ただ冷たい現実を喉元に突きつけながら。

映画としてみると人によっては退屈を覚えるだろう。

3つのフィルタを通して見えてくる世界は何を意味しているのだろうか?

絶望的な空虚な青の世界?

砂漠のように乾いた黄色い世界?

血しぶきが飛び交う赤い世界?

人はいつかこのフィルタをとりのぞける時が来るのだろうか?

そんな疑問をこの監督に投げつけられたような気がした。

あらすじ・概要

アメリカとメキシコの両国で、麻薬密輸とそれをなくすために戦う者たちの姿を、実際に起こった事件や実在の人物をモデルに取り入れて描いた作品。2000年度第73回アカデミー賞の監督賞、助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、脚色賞、編集賞の4部門を制覇した他、ゴールデングローブ賞の脚本賞、助演男優賞、ベルリン国際映画祭の男優賞など多数の賞を受賞した。

同時進行する三つの物語をスクリーン上で区別しやすくするため、メキシコでは黄色がかった薄暗い映像、ワシントンD.C.やオハイオ州では青く灰みがかった映像、カリフォルニアではコントラストの強い映像、とシーンによって画質に特徴を持たせる手法を用いている。

なお、劇中のアルトゥーロ・サラザール将軍は、メキシコに実在した麻薬カルテル「ファレス・カルテル」の手下として働いていたヘスス・グティエレス・レボロ将軍を、オブレゴン兄弟は、アレジャーノ・フェリックス兄弟をモデルにしている。
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麻薬に汚染され切った大国・アメリカの首都・ワシントンD.C.で、麻薬撲滅担当の大統領補佐官に就任したオハイオ州のロバート・ウェークフィールド判事と、名門校に通う仲間らと麻薬におぼれるその娘キャロライン。

カリフォルニア州南部の麻薬密輸の仲介を一手に担うエデュアルド・ルイス、カルロス・アヤラとその妻ヘレーナ。そのカリフォルニアで白人たちへのライバル心を抱きつつも 麻薬密輸を撲滅すべく一心不乱に任務を遂行する麻薬取締捜査官モンテル・ゴードンとレイ・カストロ。

アメリカとの国境にあり、アメリカ人が求める麻薬供給ルートの中継地点となっているメキシコ最北端の都市・ティファナで、バハ・カリフォルニア州警察の麻薬捜査官として働くハビエル・ロドリゲスとマノーロ・サンチェス。
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タイトル トラフィック
製作 2001年
原題 TRAFFIC

製作国 アメリカ
上映時間 148分
ジャンル ドラマ
監督 スティーブン・ソダーバーグ
脚本 スティーヴン・ギャガン
出演者 マイケル・ダグラス
ベニチオ・デル・トロ
ドン・チードル
ルイス・ガスマン
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
受賞 アカデミー賞2001年73回:監督賞/助演/男優賞/脚色賞/編集賞
ゴールデングローブ賞2000年58回:脚本賞/助演男優賞
ベルリン国際映画祭2001年51回:銀熊賞/最優秀男優賞
ニューヨーク映画批評家協会賞2000年66回:作品賞
放送映画批評家協会賞2000年6回:脚色賞

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