あらすじ・概要
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何事も計画を立ててからでないと行動出来ない水嶋香苗が新たに立てた計画は、目標の期日までに相手を見つけ結婚するというものだった。また、法外な報酬で仕事を請け負う凄腕の殺し屋『コンドウ』こと山崎信一郎は、仕事を遂行した際に僅かな返り血を受け、手近な浴場へと車(クライスラー・300)を走らせる。そして、計画性皆無の三文役者桜井武史は人生に行き詰まって自殺を図るが失敗し、おもむろに開けた財布に銭湯のタダ券を発見する。
桜井は出掛けた銭湯で、分厚い財布を持つ羽振りのいい山崎をチラ見する。その後、風呂場で山崎が足を滑らせ失神すると、桜井はそれに乗じてロッカーの鍵をすり替える。山崎は意識不明で病院に搬送されるが、頭を打ったショックで記憶を無くしており、所持品から自分を『桜井武史』だと思い込んでいた。桜井は山崎の車を乗り回し、思い付く事に財布の金を使い、山崎の家にまで上がり込む。家を物色すると、偽造免許や拳銃など山崎の仕事道具が続々と出てくる。
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タイトル | 鍵泥棒のメソッド |
製作 | 2012年 |
原題 | 鍵泥棒のメソッド |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 128分 |
ジャンル | コメディ |
監督 | 内田けんじ |
脚本 | 内田けんじ |
出演者 | 堺雅人 香川照之 広末涼子 荒川良々 森口瑶子 |
受賞 |
日本アカデミー賞2013年36回:最優秀脚本賞 |
評価
レビュー
ボタンの掛け違いをあえて楽しむメソッド
はい。大好きな内田けんじ作品です。この人の特徴はなんといっても二重三重の伏線とキャラクター造形の妙。
正直いうと三谷幸喜より好きです。
三谷幸喜は作品量産出来る人なんですけどこの人は残念ながら4年に1回のペースで作品を発表されます。
前回は「アフタースクール」その前は「運命じゃない人」なのでオリンピック並に気長に待たないといけないんですよね…
でこの監督の創りだす物語の何が妙だと言うと具体的にいうとボタンの掛け違えたつもりが実は合っていた。
こんなボタンのかけ方もできるんだって新たな発見ができる部分なのです。
初っ端から妙です。
「私事ではありますが結婚します。」
今まで男っ気もなかった編集長の香苗に社員スタッフは驚きを隠せず思わず
「お相手は?」
「まだ、これから決める予定です」
この期待した回答と良い意味でズレた回答をする空間の演出が上手い。
そしてそのズレの理由がなるほどね!に変わる部分もまた快感なのです。
そこに売れない舞台俳優とプロの殺し屋が立場を入れ替わり人生が逆転し周りを巻き込み笑いとハラハラとキュンキュン(←伏線)を見事なアンサンブルで見せてくれます。
この作品とにかく幕の内弁当みたいに色んな伏線と仕草を詰め込んできます。
部屋の変化や表情の変化等こまかい部分まで見るとキリがないけど「ええ?そこまでこだわっちゃう?」「あー気づいちゃった♪」って自分だけの発見が次々みつかるそんな映画です。
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