6才のボクが、大人になるまで。【評価:72点】

6才のボクが、大人になるまで。

あらすじ・概要

本作はメイソンとオリヴィアが離婚後に、息子であるメイソン・ジュニアを12年間(6歳から18歳まで)にわたって育てる中で、関係が変化していく様子を描写したものである。本作の撮影は、コルトレーン演じるメイソン・ジュニアが子供から青年に成長していく姿を描くために、2002年の夏から2013年の10月まで12年間を通して断続的に行われた。
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両親が離婚している6才のメイソンJr.は、姉サマンサとともに、母親オリヴィアの故郷ヒューストンに引っ越すことになる。バンド活動にうつつを抜かす父親メイソン・シニアは、曲作りのためにアラスカ州に旅立ったものの、結局アメリカ本土に舞い戻り、定期的に子供達と会うようになる。

オリヴィアは職を得るために大学で心理学を学ぶが、そこで教授のウェルブロックと再婚し、教授の2人の連れ子と共に6人の生活が始まる。だがウェルブロックが酒を飲んで暴力をふるうのを見て、オリヴィアは子供2人と家を飛び出す。オリヴィアは大学の教職に就き、メイソン・シニアは恋人と再婚し、赤ん坊も生まれる。

タイトル 6才のボクが、大人になるまで。
製作 2014年
原題 Boyhood

製作国 アメリカ
上映時間 165分
ジャンル ドラマ
監督 リチャード・リンクレイター
脚本 リチャード・リンクレイター
出演者 パトリシア・アークエット
エラー・コルトレーン
ローレライ・リンクレイター
イーサン・ホーク
受賞 アカデミー賞2015年87回:助演女優賞
ゴールデングローブ賞2015年72回:作品賞(ドラマ部門)/助演女優賞/監督賞
ベルリン国際映画祭2014年64回:銀熊賞 最優秀監督賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞2014年40回:作品賞/編集賞
英国アカデミー賞2014年68回:作品賞
ニューヨーク映画批評家協会賞2014年80回:作品賞
オースティン映画批評家協会賞2014年10回:作品賞
放送映画批評家協会賞2014年20回:作品賞

評価

72点

レビュー

点という時間が繋がりその連続性の中で僕たちは生きている

6歳の少年とその家族の実際の12年にわたる時間をつづった人間ドラマ。
物語としては大きな起伏があるわけでなくただ淡々とそれぞれの家族の成長を描き出している。

フォレスト・ガンプ/一期一会がアメリカの歴史のアイコンの集合体だとしたら
これはアメリカの一般家庭の歴史のアイコンの集合体だろう。ハリーポッター、大統領選、レディーガガ、iPhoneなどを散りばめ歴史の流れを自然に伝えることに成功している。

12年間毎年一同が集まり10~15分の短編映画を作りそれを長編映画として編集することが監督の本質だったらしい。
少年メイソンを軸にシームレスに物語が繋がり父親、母親、姉、友人の成長が自然と交わる。

6才だった少年はあっという間にこの166分の時間の中で成長を遂げるのだ。
それはまるで自分の子供の成長をみているかのような錯覚に陥る。

思えばその通りで自分の人生もあっという間で気づいたらこの歳になっていた。
もちろんその間にたくさんの恋愛もしたし沢山の成功や失敗もした。そして沢山の出会いや別れを繰り返した。
今や薄っすらと記憶の底に消えつつある思い出も紛れもなく存在したしその思い出はこれからも新しい記憶の糧となっていく。
あなたは一年前は何をしていましたか?
あなたはどんな学生時代を過ごしましたか?
あなたはどんな恋をしてどんな事に泣きどんなことに喜びましたか?

そしてこの映画が2度と撮れないようにあなたの人生も2度と戻ることはできないのだ。
あなたの人生はこのメイソンの人生より平凡だっただろうか?それとも波瀾万丈だっただろうか?
メイソンの人生はエンドクレジットを終えたあとも続くだろう。そうあなたの人生のように…

いや少し訂正しておこう。
続くとは言ったが明日あなたは事故にあい短い人生を終えるかもしれない。
それはあなたでなく家族や友人かもしれない。
そんな不確定な連続性の時間の中に身を置くことがあなたそのものなのだ。

この物語のように何の変哲もない毎日はとても有り難いものなのかもしれない。
この作品のラストシーンが監督の次回作「Everybody Wants Some」に繋がるという。

私達は今もなお現在進行形で生きてるのだ。
それは過去でも未来でもない点の連続なのだ。そしてこれからも私達は未来へとその点を繋ぎ続けるのだ。

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