あらすじ・概要
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ギルバートは、食料品店で働きながら重い知的障害を持つ弟アーニー、夫の自殺から7年間も家から出たことがない肥満で過食症の母ボニー、そして2人の姉妹たちとの生活を支える。アイオワ州の小さな町を生まれてから一度も出たことがないギルバートは、家族を置いて自分だけ町を出るわけにも行かず悶々としながら日々を送る。次の日曜日に行うアーニーの誕生日パーティーの役割を家族で話し合うがゴタゴタしてしまいギルバートも気が滅入る。ギルバートは食料店の馴染み客の人妻と大人の“火遊び”をしたり、ボニーの肥満体型を見たがる子供を手伝い窓から見せて心のバランスを保とうとする。
ある時ギルバートが目を離したすきにアーニーが町の給水塔によじ登ってしまい、以前にも同じことがあったため兄が警察から警告を受ける。そんな時ギルバートは、旅の途中でトレーラーが故障し、ギルバートの町にしばらくとどまることになった少女・ベッキーと出会う。ギルバートはある時はベッキーと数時間に渡って様々な会話をしたり、ある時はアーニーと3人で遊ぶなどして交流を深めていく。ベッキーから願い事を聞かれたギルバートは「僕は、いい人になりたい」と本音で語り、その後人妻との関係にピリオドを打つ。
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タイトル | ギルバート・グレイプ |
製作 | 1993年 |
原題 | What’s Eating Gilbert Grape |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 117分 |
ジャンル | ドラマ |
監督 | ラッセ・ハルストレム |
脚本 | ピーター・ヘッジズ |
出演者 | ジョニー・デップ レオナルド・ディカプリオ ジュリエット・ルイス |
評価
レビュー
愛するが故に自由から逃れることのできない人間の物語
想像してみてください。常に目の離せない子供に自分の時間を遮られ、子育てに非協力的な夫。自分だって一生懸命やってるにも関わらず目に見えずらい達成感のない毎日を過ごす。そしてつい子供にヒステリックに当たってしまう。大泣きする子供の姿をみて私ってダメな母親?子供は悪くない。イライラする私が悪いだけ。そんな自己嫌悪を毎日過ごす。24時間365日。
ギルバートはそんな障害をもつ弟と250kgの肥満の母親と姉妹の面倒をその何倍もの時間をかけて見てきた。
この物語はそんな世の母親の自己犠牲愛にも似た世界観をギルバートを通して表現している。
障害を持った弟、肥満の母親は一つの提示でしかない。年老いた両親の介護問題、孤立した子育て環境など現代社会には形を変えて様々な問題が混在している。
家族を愛するが故に自分を殺して生きる。
そんな閉塞的な空間に見出す自由とは?
一つの風をきっかけに自分を見つめ直す若者の再生の物語である。
余談話を一つ。デカプリオは障害者の役に取り掛かる前に10代の精神障害者施設に数日通って彼らと交流をしたそうだ。その交流が彼を助演男優賞ノミネートに貢献したのは言うまでもない。
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