あらすじ・概要
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心理療法医のケイトを含む8人の男女が、キューブからの脱出を試みるが、キューブへ入っていくうちに真相も深くなっていく。
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本作に登場するCUBEは、前作のような薄暗い部屋としての演出はなされておらず、蛍光灯のように全面が明るく白い壁となっており、周りの状況を視認しやすい。扉はタッチ式の自動ドアとなっていて、上下に開く(劇中、何度タッチしても開かない扉も確認されている)。最大の特徴といえるのは、時間と空間、そして引力が一定に繋がっておらず、部屋ごとに一種のパラレルワールドとなっていることである。このため、別の部屋に移動する際、死んだはずの人物と何度も出会ったり、自分自身と遭遇するといった現象も起こる(劇中ではこの事象を利用して食糧を確保する人物も登場する)。また、一旦扉が閉じると、次に同じ扉を開いた際は別の部屋に繋がっており、一度扉が閉まることは、別次元に繋がることを意味している。
タイトル | CUBE2 |
製作 | 2002年 |
原題 | HYPERCUBE: CUBE 2 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 95分 |
ジャンル | サスペンス |
監督 | アンジェイ・セクラ |
脚本 | ショーン・フッド アーニー・バーバラッシュ ローレン・マクローリン |
出演者 | ジェラント・ウィン・デイヴィス |
評価
レビュー
高度経済社会に生まれた悲しき副産物
人は比較するものがあると優劣を簡単につける事ができてしまう。
前作が名作と呼ばれると否が応でも比較されてしまうのが続編や次回作の運命。そもそも前作が衝撃的な作品であればあるほど期待するなというのが無理な話なのである。
さて、それでは前作の良さから再確認してみよう。
前作の良さはなんといっても徹底的な不条理感。そこに理由はなくただ無機質な悪意のみが存在している空間へ放り込まれた数人の男女の心理描写。
不条理であるがゆえに人間の理知を寄せつけない絶対的恐怖。
無限に続くまるで意思をもったその四面体そのものが人間を越えた存在として襲い掛かってくる怖さがあった。
しかし今回は企業や外の世界を四面体の背後に感じ怖さが半減してしまう。
蛇足とは言い得て妙だ。描かなくてもよかった蛇の足をわざわざ描いてしまい反感を買う。それもこれに似ている。
多分オリジナルの監督が作成してもキャメロンやスピルバーグが作ろうが駄作という世界しか表現できなかったように思える。それほど前作は研ぎ澄まされたシンプルの中に美しさが垣間見れたのだ。
では続編なんていらなかったのでは?しかし続編ができてしまうのはやむを得ない。実際そうじゃないか?この高度経済社会は一度流行れば続編が繰り返されゴミになるまで消費され続ける。それは消費者のエゴでもある。まさにこの続編や派生品も止めることのできなかった副産物なのだろう。
比較する対象を知ってしまった人はつまらないかもしれないが、初めてこのシリーズを見る人には一つの作品としては面白いのかもしれない。
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