あらすじ・概要
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ペンシルベニア州のとある田舎町。小さな工務店を営むケラー・ドーヴァー一家は、隣家のフランクリン・バーチ一家とと共に感謝祭を迎えていた。だがその最中、ケラーの6歳の娘アンナとバーチ家の7歳の娘ジョイが遊びに行ったきり行方不明になってしまう。この事件を担当することになったデビッド・ロキ刑事は、二人が何者かに誘拐されたと見て、現場付近で目撃された不審なRV車を手がかりに、それに乗っていた青年アレックス・ジョーンズを拘束する。しかし、アレックスは10歳程度の知能しかなく、まともな証言も決定的な証拠も得ることはできずに、釈放の期限を迎えてしまう。
タイトル | プリズナーズ |
製作 | 2013年 |
原題 | Prisoners |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 153分 |
ジャンル | サスペンス/スリラー |
監督 | ドゥニ・ヴィルヌーヴ |
脚本 | アーロン・グジコウスキ |
出演者 | ヒュー・ジャックマン ジェイク・ギレンホール ヴィオラ・デイヴィス |
受賞 | ナショナル・ボード・オブ・レビュー2013年85回:アンサンブル・キャスト賞 |
評価
レビュー
キリスト教を通して児童誘拐という闇を描き出した傑作
「複製された男」含めて観たけどこの監督かなり好きかも。
今回は「複製された男」と比較すると非常にわかりやすいストレートな作り。
ハリウッドってどちらかと言うとわかりやすいエンターテイメントを求められる傾向がある。悪く言えば非常にお行儀のよい説明書がなくてもわかる親切設計。
製作の時系列的には「複製された男」の後に今作なのでハリウッド初進出の前に敢えてこの親切設計じゃない作品を作りたかったんだなと読み取れます。
だから日本公開日の通り先に「プリズナーズ」みて「複製された男」みたら頭の中が「????」でいっぱいになると思う。
さて本題。あまり日本の方には馴染みがないと思うのですがアメリカでの年間児童行方不明者は80万人以上もいます。
児童行方不明者2位の中国1~2万人と比較しても断トツで飛び抜けているのがわかる。
あまりにも行方不明者が多いため市販の牛乳パックに行方不明児童を掲載されたことさえあった。現在は公共料金の請求書やスーパーの袋やチラシなど様々な場所に掲載されている。
カナダでは2003年にホリー·ジョーンズという10歳の少女がトロントで誘拐され殺害されました。彼女の体の一部が見つかった事によりこの事件は大きくとりだたされこの国の闇を浮き彫りにしました。
この物語もアメリカの北東部ペンシルベニア州の田舎町で2人の少女の誘拐事件をきっかけに狂気的な捜索をする父親ケラーをヒュー・ジャックマン。そして頭脳明晰の刑事ロキをジェイク・ギレンホールが演じています。
この作品キリスト教としてのメタファーがかなり色濃く散りばめられてて日本にはさらに馴染みがないだろうなぁと思った。
ただ構図としては
キリスト教に信心深い神側:父親ケラー
児童を誘拐する悪魔側:犯人
北欧神話の神の名前であり第三者側:ロキ
最低このメタファーを意識して読み進めるとラストにこの監督の意図するテーマが見えてくるかも知れない。
とにかく犯人探しというよりかは
人間の業のあり方をガツガツとえぐり取られる感じ。音楽もいいセンスしてる。
後味が良いとは言い切れないが
伏線とミスリードを上手く配置した優れた脚本ではあると思う。
また脳疲労必須の作品なので脳が疲れていない状態の時に観るのをオススメします。
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