灰とダイヤモンド【評価:80点】

灰とダイヤモンド

評価

80点

レビュー

灰に埋もれた若者たちとその灰の中で希望をもたらすダイヤモンド

ワイダの『世代』『地下水道』とともに「抵抗三部作」と呼ばれる。

ポーランド民主化を目指して第二次大戦の狭間で翻弄された若者たちのそして監督の戦い。

主人公マチェクはポーランド共産党の暗殺を実行し(失敗に終わりますが)今度は逆に狙われる立場になります。

逃げる中1人の女性と出会い恋に落ちる。闇に向かい生に無頓着であった成年が生きたいという光を見出す。

製作された年代をみればわかるのですが共産党の独裁政治の真っ只中にポーランドの監督は映画を作ってるんです。普通なら検閲に引っかかって公開出来ないはずなんですがとある理由に許可が出ています。

その理由は悲しくとても重いラストに集約されます。

ラストにマチェクはゴミ山で息耐えます。生きたいと微かな望みも虚しく消え去ります。

反政府的な事をしてもこの若者のように無意味な事だと上映の許可が下りたらしいです。

逆に監督はこのラストに同情してくれる観客が増えてくれる事を願います。

まさしく灰とダイヤモンド。

崩れ去った灰のゴミの中からキラリと光るダイヤモンドを象徴しているようで心に染みる作品です。

あらすじ・概要

イェジ・アンジェイェフスキが1948年に発表した同名小説をアンジェイ・ワイダが映画化。アンジェイェフスキはワイダとともに脚色も担当した。

ドイツ軍が降伏した1945年5月8日のポーランドを舞台に、党権委員会書記のシュチューカの暗殺を依頼されたロンドン亡命政府派の青年マチェクが誤って別人を殺害した一日を象徴的に描く。

このように、体制側が主人公と捉えていたシュチューカではなく、彼の暗殺を遂行するマチェクに焦点が当てられているため、検閲の際にはその点が問題視された。

本作は1959年の第20回ヴェネツィア国際映画祭で上映され、国際映画批評家連盟賞を受賞。ワイダの『世代』『地下水道』とともに「抵抗三部作」と呼ばれる。
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タイトル 灰とダイヤモンド
製作 1957年
原題 POPIOL I DIAMENT

製作国 ポーランド
上映時間 102分
ジャンル ドラマ
監督 アンジェイ・ワイダ
脚本 アンジェイ・ワイダ
イェジ・アンジェイェフスキ
原作 イェジ・アンジェイェフスキ
出演者 マイケル・ダグラス
ベニチオ・デル・トロ
ドン・チードル
ルイス・ガスマン
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
受賞 1959年第20回ヴェネツィア国際映画祭:国際映画批評家連盟賞

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