あらすじ・概要
ダニー・ボイル監督、アレックス・ガーランド脚本によるSFホラー映画である。人間を凶暴化させるウイルスが蔓延し、感染者が人々を襲ったために壊滅状態になったロンドンを舞台に、生き残った人々のサバイバルを描く。PG-12指定。
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動物愛護活動家が医療科学研究所を襲撃した。研究員はチンパンジーが危険な感染症にかかっていると警告するが、活動家は耳を貸そうとしない。檻から出した途端、チンパンジーは一人の活動家に襲いかかった。チンパンジーに噛まれ負傷した活動家は、暫く苦しんだ後、獣の如く凶暴化し、仲間の活動家や研究員に襲い掛かった。
感染症の正体は、感染すると数秒で脳に侵入して精神を司る部分を破壊し、「凶暴性」(レイジ)を剥き出しにしてしまうウイルスであった。研究所の襲撃により外部に流出したウイルスは瞬く間に蔓延、ロンドンはゴーストタウンと化した。ウイルスの感染拡大から28日後、メッセンジャーのジムは寂れた病院で昏睡状態から目を覚ます。変わり果てた風景に呆然としながら人気のない街をさまようジムは教会に入るが、そこで彼が目にしたものは自らに襲い掛かってくる感染者の姿だった。何とか逃げのびたジムは生存者のセリーナとマークに助けられる。
タイトル | 28日後… |
製作 | 2002年 |
原題 | 28 Days Later… |
製作国 | イギリス/アメリカ/オランダ |
上映時間 | 114分 |
ジャンル | ホラー |
監督 | ハーシェル・ゴードン・ルイス |
脚本 | アレックス・ガーランド |
出演者 | キリアン・マーフィ クリストファー・エクルストン |
評価
レビュー
希望に繋がる言葉
なぜ人は繋がりを求めるのでしょうか?
それは孤独を感じたくないからです。
人は友達、恋人、親友、知人、家族とコミュニケーションをして繋がるきっかけを持つ事により自分がここに存在していることを認識します。
この映画でも主人公は誰もいない廃墟という孤独な環境から始まります。
そして孤独を感じた主人公はある言葉を発します。
「Hello」
それは自分以外の個を求める言葉。
他者と自分が繋がる言葉。
新しい未来に繋がる言葉。
友達も恋人も家族も知人も最初はここから始まる。
さてロメロは当時、放射能汚染を含めた社会問題のメタファーとしてゾンビをそのキャラクター像として具現化させました。しかしダニー・ボイルはその脳を食べるというゾンビの概念に時代遅れを感じとっていました。彼が現代社会における最大の問題として感じていた事はエボラなどに代表されるウィルス。そしてアメリカの炭疽菌バイオテロの脅威でした。そこで彼は新しいメタファーとしてゾンビ像を創りだします。
疾走感のある速い走るゾンビ(正確には感染者でありロメロ自身もこれがゾンビだと認めてないようですが…)
ノロノロ動くゾンビのイメージを大きく変えたのがこの作品だと思ってます。
ただし走るゾンビの元祖は「バタリアン」です。たしか。あれもヤバかった。
ただ「アイ・アム・レジェンド」や「ワールドウォーZ」「ドーン・オブ・ザ・デッド」など含めて走るゾンビとして影響を与えたのは明らかにダニー・ボイルの手腕です。
物語は感染した猿に噛まれた事により人間を凶暴化させるウィルスが蔓延しあっという間に世界は廃墟化する。
この映画ゾンビ映画ではあるが観ているとどうやら一番怖いのはゾンビ(ウィルス)ではないらしいという事がわかってくる。
感染症にかかってるチンパンジーを警告を聞かずに檻から出しちゃう人たち。
極限状態に置かれて誰も信じることができず殺戮やレイプを繰り返す軍の人たち。
そう。ウィルスはただ「いる」だけなのだ。それを蔓延させたりバイオ兵器として利用するのは人間自身だ。
人は孤独ゆえに繋がりを求める。
だが皮肉な事にその繋がりは争いにも繋がるのだ。
それでも人は信じる。
いつだって人間が求めるのは
【絶望(HELP)】ではなく
【希望(HELLO)】だから。
続編のレビューは28日後にしたいと思いますのでその時また…
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