あらすじ・概要
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斎藤一子(安藤サクラ)は、32歳になっても実家にひきこもりの自堕落な生活を送っていた。父親の孝夫(伊藤洋三郎)は役立たずだったが母親の斎藤佳子(稲川実代子)は弁当屋を切盛りしており、比較的平穏に過ごせていたが、ある日妹の二三子(早織)が子供を連れて実家に出戻ってきたことにより、問題を抱えるようになる。一子は、二三子の子供とはテレビゲームで良い関係を築いていたいにも関わらず、二三子と歯医者に母親が治療費を出すかで喧嘩してしまい、母親からもお金を貰って追い出されてしまう。
一子は一人暮らしを始め、夜な夜な買い物に行っていた百円ショップに勤めることになるが、そこは実は社会の底辺の人間達が集まる巣窟のような場所であった。店長の岡野淳(宇野祥平)はうつ病で、店員の野間明(坂田聡)はバツイチで口うるさくてしつこい。また、元店員で、レジの金を盗んだ池内敏子(根岸季衣)は、毎晩廃棄される焼きうどん弁当を盗みに来るという。
一子は、いつもストイックにボクシングの練習をする狩野祐二(新井浩文)に興味を持っていた。ある時、狩野が百円ショップにバナナを置き忘れ、一子がジムまで届けに行った際、急にデートに誘われる。
タイトル | 百円の恋 |
製作 | 2013年 |
原題 | 百円の恋 |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 113分 |
ジャンル | ドラマ |
監督 | 武正晴 |
脚本 | 足立紳 |
出演者 |
安藤サクラ 新井浩文 |
評価
レビュー
あなたが初めて悔しさを知ったのはいつですか?
痛い痛い痛い痛い。
とにかく痛いんです。人生と向き合うって。
現実と向き合うって本当に痛いし怖い。
だから人は言い訳するんです。
一生懸命に何か頑張ってる奴はダサいって。
目先の快楽に生きるのは正直楽だ。
ニート、自堕落、酒、タバコ、怠惰、ぶよぶよの贅肉、救いのない生活。
100円並いや100円以下の価値しかない底辺のクズ人間の集まりに埋もれそれに疑問さえ持たない負け犬32歳ニートの一子を安藤サクラが演じる。
とにかく出てくる人物が総じてクズと底辺の集まり。
バイト先の嘘つきおしゃべりクソ男の野間。
レジからお金を盗んで首になったキ○ガイホームレスの婆さん。
一子が恋する男、新井浩文が演じる狩野でさえもカッコつけてるがクズ中のクズ。
あなたが初めて悔しさを知ったのはいつですか?
こんなに悔しくて悔しくて後悔するくらいなら目の前の痛みなんて軽いもんだって思ったのはいつですか?
人は悔しさを知って成長する。
一子も例外ではない。どんな事をされても悔しいという感情を持たなかった彼女が「ただ1つ」その感情を持ちボクシングを通して成長する姿は非常に美しい。
お世辞にも可愛いといえないダサいその彼女がそこら辺の女性なんかよりキラキラ輝き始めるのだ。
ぶよぶよだった身体が引き締まり上達していくトレーニングシーンとBGMが重なる様は最高にカッコ良い。
この時点で僕は涙をこらえるのに必死だった。
正直、根性論なんて今どき流行らないし僕も体育会系のノリの会社や社員なんてみてるとヘドがでる。
もっと効率よくやったほうがスマートで最小限の努力で目的を達成することができる。
それでもその何かを超えた感動が僕の心を鷲掴みにする。
安藤サクラと役柄の一子のストイックに「勝ちたい」という意識と「役者魂」が融合した時に起こるこのスパークがこの奇跡を生んでいるのだろう。
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